asics ウインドスプリント レビュー
[写真はasics ウインドスプリント(ステップ限定]
こんにちは!サウロンです。
今回はランニングシューズのレビューをしたいと思います。
中学・高校と陸上競技の短距離と少し砲丸投もしてたので、普通の人よりは靴やスパイクにこだわりがかなりあります。レビューするものは基本的に歩きやすい靴・走りやすい靴・ダッシュしやすい靴を書いていこうと思います。デザインのみで歩きやすさを完全に無視したものは自分は絶対履きたくない派の人なので、共感できる方がいれば是非お読みください!ただ自分の足を基準にしているので、あくまでも個人的な感想という事を念頭に置いて参考くらいにお願いしますね。それではいってみましょう!
- ウインドスプリントってどんなシューズ?
asics ウインドスプリントは見た事ない方も多いと思いますが、それもそのはずで、このシューズは陸上競技の短距離種目のトレーニング用に作られたシューズでものすごい専門的なシューズになっています。
元々は短距離のドリル(走りの基本動作)をする為だけのシューズとして販売されてました。当時デビューした時はスプリントドリルシューズなんて名前で出ていたそうです。
スプリントドリルの際に靴裏(ソール)が硬い為、足の伸張反射の感覚を養う練習には最適でした。冬季練習でスパイク履いて走ると怪我しそうな時にスパイク感覚で履けるシューズとしても使えますし、路上での坂ダッシュやアスファルトでの練習でもスパイク感覚で走れるので学生には人気でしたが、なにせ専門的過ぎるシューズな為、気づけば廃盤になっていました。
そんな中、やはり無くなると少なからずだった需要が爆発したんでしょうね。2018年に陸上専門店のstepさんが復刻させてくれました。昔は10,000円出せばお釣りが返ってきましたが、復刻版の今のウインドスプリントは16,200(税込)していて、昔より値段高くなっていますが、今はstepさんが言うにはバカ売れしてるようです(笑)stepさんの目の付け所の良さが伺えますね。
- 個性丸出しの特徴を紹介
まずは横
すでに普通の靴ではないでしょ。これで都会歩けないですよね(笑)しかし、陸上短距離種目においては考えられたシューズなんです。
特徴1 3本ベルト
短距離の練習は5〜60秒ほどダッシュして休憩というのを繰り返し行うものが多いので、ヒモ靴だと走る時はヒモをギュッと締めて、休憩の時は緩めるという動作が結構邪魔くさい時があります。酸欠でヘロヘロの中でヒモ靴をいじる事になるので、そんな時にベルトだとかなり楽で助かります。
特徴2 ベルトの折返しを金具にした事
ベルトの折返しというのは上の写真の親指の少し先の部分の金具です。
昔のウインドスプリントだと足首の方だけ強化プラスチックの素材で、使い始めは良いのですが、使ってる内に「ボキッ」と割れるなんてありましたので、耐久性がイマイチでした。復刻版は3ヶ所とも金具でフィット感がかなり上がっていて好印象でした。この型をチョイスして復刻させるstepさんのセンスもさすがですね。
特徴3 靴底(ソール)が平ら(フラット)で硬い
ここで少し靴用語の話をします。
靴底のことを靴の業界では"ソール"と呼びます。ソールは3つに分かれます。そして、地面と触れるソールを"アウトソール"と呼び、みなさんご存知の中敷きは"インソール"と呼び、アウトソールとインソールの間を"ミッドソール"と呼びます。
このアウトソールとミッドソールがフラット寄りなシューズはいくつかありますが、本当と意味でフラットで素材が硬いシューズはそうそうありません。マラソンのシューズはフラットのものが、多いですがソールは柔らかくアッパーは破れやすい素材なので、短距離で使用するとどこかしらすぐに破けます。短距離のパワーは靴には結構なものなのです。
それでは、何故フラットて硬いものが無いのかというと答えは簡単です。フラットで硬いシューズは地面と足が着いた時の衝撃が強く、疲れやすい特徴を持っているからです。どこのメーカーが好んで疲れやすいシューズ作りますか?って話です。普通の靴とは逆の方向行っているシューズなのです。
しかし、陸上選手にとっては求めていたシューズなのです。
上の写真で指を指してる所がソールで靴の前と後ろの部分を指してます。見た通り全く同じ厚さです。そして、硬い素材。
陸上スパイクのソールも一枚のプレートで出来ていて、フラットもしくは前足部の方がむしろ盛り上がってる様なものが多いので、踵はほぼ着かない設計になってますし、スパイクはプレート一枚なのでほぼクッションはありません。なので、硬い素材という所もスパイクに近い感覚と言ってもいいでしょう。
硬いと衝撃が強いのですが、その衝撃を利用してより強い足の伸張反射を引き起こし、プライオメトリクス系の練習を行うのには最適です。
伸張反射については他のブログをどうぞ。↓
伸張反射を利用して、トレーニングとストレッチの効果をアップ! | やまはたブログ
プライオメトリクスも他のブログでどうぞ。↓
プライオメトリクス トレーニングで全身を使ったバネのある動きができる
特徴4 アウトソールの素材と形状と耐久性
上の写真はアウトソールのものです。
激しいトレーニングを想定して、硬いゴム素材で、更にはハニカム構造を採用しているので、かなり丈夫になっています。
普通靴はアウトソールが削れてダメになりますよね?
私の先輩で伊東浩司選手がやっていた初動負荷理論を取り入れて、足裏の感覚にかなりこだわりを持っていた人がいて、その人の1年履いていたウインドスプリントはアウトソールが綺麗でインソールがボロボロになっていました。そう、この靴はインソールからボロボロになるんです。
それほどにこのアウトソールは頑丈です。
しかもこの丈夫なアウトソールは発売初期から全く同じというのも驚きです。
特徴5 足の甲をまとう素材(アッパー)
見出しの通り足の甲をまとう素材を"アッパー"と呼びます。走っている間は体重バランスを取るためにアッパーが直接地面を触れることもあります。それを繰り返している内にアッパーが破れたり、内側から爪で破けたりなんかもよくある話です。
激しいトレーニング環境ではソールだけではなく、アッパーの耐久性も必要とされ、靴としてのフィット感も必要とされます。その両立を求めて上の写真のようにエナメルと所々にメッシュも採用されています。
私も学生の時に履いていましたが、この靴に関しては爪で破けたことないですし、何やっても潰れないので、買い替えのタイミングかわわからないほどでした。
特徴6 重さ
これはあくまで参加までにって感じなんですが、私のウインドスプリントは28.5cmで246gでした。標準の27cmとかで230gとかなるんですかね?その辺はよくわかりませんが、今覚えているのが、26〜27cmぐらいのスパイクで↓
ミズノ クロノインクス 140g
アシックス サイバーゼロ 2003年 180g
靴で↓
ミズノ ウェーブライダー 2003年 310g
くらいは覚えてました。ウインドスプリントはスパイクよりは重いですが、クッションの効いた靴よりかは断然軽い部類に入りますね。
↑上の写真のようにベルトに頼っていて、余分な所は肉抜きされているので、エナメル素材とい重くて丈夫な素材を使ってる割には全体は軽くなっています。
- 総評価
メリット
- エナメル素材は重いが、肉抜きしている為に靴自体は軽く、そして耐久性もある。
- ソールの耐久性もハンパじゃない。
- ウエイトトレーニングにも使いやすいフラットと硬さ。
- 3本ベルトは着脱が簡単で楽。そして、フィット感も良い。
- 地面との反発を利用しやすい。
- ドリルやプライオメトリクス系の練習には最適。
- 地球上の地面あれば、どこでもスパイク感覚で走れる。"どこでもスパイク"
デメリット
- マジックテープはいつか弱くなる。
- ソールが硬い為に衝撃が強く、怪我に繋がりやすい。
- クッションはゼロ
メリットの方が多い感じはしたのですが、これは求めている人次第ですね。少し値段高めですが、耐久性あって長持ちしますし、短距離の方は一度試してみてはいかがでしょうか?
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